あのキアヌ・リーブスとビートたけし幻の共演作!
私にとってVRは待ち焦がれた夢の機器!
その憧れを抱くきっかけとなった偉大な作品達をシリーズでご紹介!
第一回はキアヌ・リーブスとビートたけし共演のSF映画、JM!
まずは下の写真を見ていただきたい。
若かりし頃の精悍な顔つきのキアヌ・リーブスがVRゴーグルの様なものを装着しているこのパッケージ。
そして裏面はキアヌとこれまた若き日のビートたけしが対峙する貴重な2ショット!
これは1995年に公開された映画、JMという作品のDVDのパッケージです。
ちなみにキアヌ躍進のきっかけとなったスピードが1994年、マトリックスは1999年の公開です。
このDVDは2000年に発売された物なのですが、ケースがいま主流のトール型ではなく、CDサイズのプラケースなのが時代を感じさせます。
もっともキアヌリーブスはあれから時を経ても相変わらずカッコ良いままですが。
このJMという作品、私が最初に見たのは劇場ではなくTVでの放送でした。
金曜ロードショーか日曜洋画劇場だったか忘れましたが、地上波での視聴が初見です。
なんとなく見始めた作品の劇中で、突如現れたSF描写のクールさに当時の私は心を撃ち抜かれました。
翌日の学校で友人にその興奮を熱く語ったのを覚えています。
謎に豪華なスタッフを含め、この映画について簡単に紹介したいと思います。
JM(ジョニー・ネモニック)
監督 | ロバート・ロンゴ |
原作・脚本 | ウィリアム・ギブスン |
キャスト | キアヌ・リーブス/ビートたけし/ドルフ・ラングレン/ディナ・メイヤー/アイス・T |
ビジュアル・コンサルタント | シド・ミード |
音楽 | U2ほか |
脳内チップにデータを記録して運び届ける、記憶屋ジョニーの物語
情報社会が過度に発展した2021年の近未来、主人公のジョニーは記憶屋として生計を立てています。
記憶屋とは、脳にインプラントしたチップにデータを記憶し、自らの体で情報を運ぶ者の事です。
ネットワークが氾濫した未来では、データの送信にはハッキングや機密漏えいの危険が伴います。
それを防ぐ為の苦肉の策として誕生したのが、物理的な肉体の移動によってデータを届ける記憶屋の存在です。
ある日、ジョニーは自身の脳内容量を大幅に超えたデータを預かる事になってしまいます。
無理をして脳内に収めた情報の負荷により、24時間以内にデータを排出しなければ命の危険が伴う状況に。
しかもその脳に記憶されたデータは人類存亡のカギを握る極秘情報。
それを狙うビートたけし演じるヤクザとの抗争に巻き込まれていく・・・というのがざっくりとしたあらすじです。
いま改めて見返しても凄すぎる豪華スタッフ!
原作はサイバーパンクの金字塔、ニューロマンサーで有名なウィリアム・ギブスン。
同名の小説が元になっていますが、映画用の脚本も自らが担当しているようです。
そしてビジュアル・コンサルタントは、あらゆるSF作品のデザインに関わって来たこちらも大御所のシド・ミード。
音楽はU2の他、いくつかのミュージシャンの楽曲を劇中で採用しています。
キャストで目が行くのは当然キアヌ・リーブスとビートたけしですが、他にも単独でも主演をこなせるレベルのアクションスターのドルフラングレンや、ギャングスタ・ラップの元祖などとも言われているラッパーのアイス-Tも出演しています。
映画そのものは微妙な評価でも、SF作品としての価値がある!
これだけのスタッフが大集結したのだから、映画も当然大ヒットしたのでしょうか?
残念ながら、興行的にはあまり振るわなかったようです。
そもそもサイバーパンクを題材にしたSF作品自体、大衆に向けて大ヒットするジャンルではないと思いますが、当時としては時代を先取りしすぎた内容もその原因かと思われます。
劇中では2021年のインターネットの様子を視覚的に表現したりしているのですが、1995年当時はまだインターネットも充分に普及していない頃でした。
また、サイバーパンク特有の退廃的な未来の雰囲気を演出した画面作りが、暗くて垢抜けないイメージを作品全体に漂わせているのも一因と思われます。
ある意味非常にクールなビジュアルとも言えるのですが、やはりこういったジャンルが好きなマニアックな層にしか受けは良くないのでしょう。
しかし、作品の中に出てくるSF描写はめちゃくちゃカッコイイ!
いま見ても違和感のないVRゴーグルのような機器と、両手に装着したデバイスを駆使して仮想空間にハッキングをかけるシーンを観た時にはあまりのカッコ良さに衝撃が走り、本当に痺れました!
1995年といえば、押井守監督の攻殻機動隊が上映された年でもあるのですが、攻殻で描かれる電脳ネットの描写や概念も素晴らしい物でしたが、私はJMに出てくるネット空間のインターフェイスと、その操作体系の方により身近な近未来感を感じました。
そして約20年前の自分は、こんなSF映画のような世界が早く訪れないだろうかと夢想したものですが、現在のPSVRなどを始めとするVR機器は、この映画のシーンをほぼ実現してしまったといっても良いと思います。
この頃に受けた衝撃があるからこそ、現在の私はヴァーチャル・リアリティだとかVRという物に並々ならぬ関心があるのだと思っています。
この映画を経て、キアヌはマトリックス、たけしは攻殻機動隊の実写版に出演!
なんの因果か、この作品から数年の時を経て、キアヌ・リーブスはSFアクション大作のマトリックスに出演します。
そしてビートたけしも、北野武監督として世界に名前を轟かせた後、ハリウッド版の攻殻機動隊で荒巻役を演じる事になります。
この2本とも単なるSF映画ではなく、広大なネットや仮想空間を題材に扱っているという共通点があり、両者が出演した先駆作でもあるJMは、後のこの2作品に何らかの影響を及ぼしている可能性があるかもしれません。
そういった意味で、JMはサイバーパンク的SF映画歴史でも重要なポイントとなった記念碑的な作品といって良いのではないでしょうか。
SFやバーチャル・リアリティ、仮想現実といったテーマが好きでこの映画に興味が出た方は、レンタルショップ等でJMを探してみてはいかがでしょう?
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